スーパートスカーナとは??ざっくりいえば「ワイン法の規定や伝統に縛られずに造られた、高品質のトスカーナ産ワイン」です。
イタリアにはワインに関する法律があり、結構厳しく、また細かに生産地域・使用可能なブドウ品種・栽培方法・醸造方法・熟成期間等を規定しています。この規定に則り、以下の4カテゴリーに分類されます。
「DOCG=統制保障原産地呼称」→一番規定が厳しい
「DOC=統制原産地呼称」→DOCGより規定が緩い
「IGT=地酒」→DOCより規定が緩い
「VDT=テーブルワイン」→一番規定が緩い
前回ご紹介した「キャンティ・クラシコ」「ブルネロ・ディ・モンタルチーノ」「バローロ」「バルバレスコ」は、全てDOCGに分類されており、格付けは一番高いとされています。
しかし、トスカーナ地方の土壌・気候的に、規定されたブドウ品種だけではなく、カベルネ・ソーヴィニヨン種などのボルドー品種で素晴らしいワインが造れると確信した造り手が現れました。そして、DOCGという格付け・保障を捨て、VDTやIGTという分類でワインをリリース。これが海外のワイン雑誌や評論家の間で評判となり、イタリアワインの評価が一気に高まります。このような素晴らしいワインは、他のVDTやIGTワインと区別するために、「スーパートスカーナ」と呼ばれるようになりました。言わば「格付け外の高級ワイン」。またまた期待が高まります♪
まずはスーパートスカーナの元祖!サッシカイアです♪
⑨SASSICAIA '09/SASSICAIA (写真左)
濃厚!色も濃いルビー色。凝縮したカシス・ブラックベリーなどの黒系果実や、レーズンのようなアロマ。新樽熟成らしいバニラ香。甘草・クローヴなどのスパイス香。スムースでシルキーな飲み口と共に、凝縮した果実の香りが口いっぱいに広がる。でも酸味もしっかりあるから、ワイン全体がぼやけず引き締まってる。
ボルドー1級の偉大なワインより近づきやすく、オーパスワンより荘厳。美味しいなぁ❤
2009年ヴィンテージのセパージュはカベルネ・ソーヴィニヨン85%、カベルネ・フラン15%。パーカーポイントは94点。イタリアの有名ワイン雑誌で、イタリア最優秀赤ワインに輝いたそう。
サッシカイアのカベルネ・ソーヴィニヨンの木は、あのラフィットから持ち込まれたもの。VDTとしてリリース、爆発的な人気を得ました。その後、名声に法律が後追いする形で「DOCボルゲリ・サッシカイア」を単独で取得。法律さえ変えてしまう品質。素晴らしいですね。。
続いて、サッシカイアのセカンド。
⑩GUIDALBERTO '10/SASSICAIA(写真左から2番目)
ヴィンテージが違うので何とも言えませんが、サッシカイアより濃厚さは控えめ。赤系果実味の凝縮感はある。でも、酸が強すぎてバランスを崩している感じがした。ちょっと勿体無いなぁ。前に2009年ヴィンテージを飲んだ時は、もっとバランスが良かった気がします。ヴィンテージの差ですかね。セパージュはカベルネ・ソーヴィニヨン60%、メルロ40%。
上の写真でグイダルベルトの右隣にあるのが、サッシカイアがサルディーニャ島で造る「バッルーア」と「モンテッス」。南仏でカリニャンと呼ばれる品種「カリニャーノ」主体。フレッシュな果実味たっぷりで、元々大好きなワインなんです♪これらは後日改めて、ブログにアップします☆ので、今回は割愛・・・
続いて、アンティノリが造るスーパートスカーナ。
㉗TIGNANELLO '09/ANTINORI (写真中央)
セパージュはサンジョヴェーゼ80%、カベルネ・ソーヴィニヨン15%、カベルネ・フラン5%と、サンジョヴェーゼ主体。
サッシカイアとは異なり、サンジョベーゼらしいチェリー・スミレ・バラ・甘草などの香りに、タバコやダージリンのような香りが加わる。口に含むと、凝縮した果実味と滑らかだけど豊かなタンニン。最後に酸味が全体を引き締める。サッシカイアより、もう少し果実の旨味感を前面に感じる。
トスカーナの地で、ボルドー品種のみでワインを作り上げたサッシカイア。それに反して、トスカーナの品種「サンジョヴェーゼ」の良さを最大限に生かしたアンティノリ。方向性は異なるものの、どちらもスーパートスカーナという名声を得るほど高い品質のワインとなる。それだけトスカーナという土地のポテンシャルが高いということでしょうか。
今回のイタリアワイン・パーティ。色々な比較が出来て勉強になったし、何よりとても楽しかったです♪いやー、イタリアワインって奥が深い・・・
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