2013年3月9日土曜日

メドック格付けワイン制覇~Ch. Margaux

先日のワイン会で制覇した格付けワイン。一つ目は「シャトー・デュクリュ・ボーカイユ」、もう一つは...な、なんと!シャトー・マルゴー☆格付け1級!!!やったーー♪♪

シャトー・マルゴーと言えば、古くはフランス国王ルイ15世の愛人デュ・バリ夫人に愛され、マルクス主義のエンゲルスやヘミングウェイも虜にするほど、昔から人々を魅了してきました。日本では失楽園の心中シーンで用いられたことから、爆発的に知名度が上がったそう。

古くから人々を魅了し、世界中で愛されてきたシャトー・マルゴー。その魅力は何か・・・いよいよ実飲!

←CH. Margaux '97/Margaux (格付け1級)

1997年、マルゴー村の天候は優れず、偉大なヴィンテージになる程の凝縮したブドウが得られない、とだれもが諦めかけていた。しかし9月に入り天候が奇跡的に回復。結果、ブドウ凝縮度がグッと高まり、成熟度の高い素晴らしいブドウが収穫できた・・・とのこと。期待が高まります♪
香りを堪能し、味わってみる。そして、そのエレガントさに驚く。始めはタバコや杉、レザー、ミネラル、甘草のようなスパイス香が際立つ。そしてゆっくりと、ベリーやカシス、ドライフルーツのアロマ、フローラルな香りが広がる。何より、その滑らかな口当たりと、柔らかく、だけど芯がしっかりと通った味わいに心が奪われる。口に広がった複雑で官能的な香りが、驚くほど長く続く。
15年の熟成期間を経て、今ちょうど飲み頃を迎えている感じがした。これがどのくらい続くのかは分からない。でも、今飲めて幸せだと思った。
セパージュはカベルネ・ソーヴィニヨン種80%、メルロー15%、プティ・ヴェルド5%。フレンチオークの新樽で2年間樽熟成が行われる。パーカーポイントは90~93点。
このエレガントさ気品の高さは、やっぱり他のどのワインでもリプレイス出来ない。マルゴーはマルゴー。そんな堂々とした佇まい。幸せだなぁ❤

12世紀に遡るシャトー・マルゴーの歴史。元々「ラ・モット・ドゥ・マルゴー」と呼ばれていましたが、当時はまだブドウ畑がありませんでした。100年戦争でボルドーがイギリス領になると、様々な貴族がこの地でワイン造りを始めます。そして1572年にシャトー・マルゴーの地を得たレストナック家は、畑の全てをブドウ栽培に切り替え、ワイン生産に投資を始めます。
18世紀初頭に管理者として従事したベルロン氏により、現在では普通に行われている①黒ブドウ・白ブドウを分けて醸造②明け方は収穫しない(朝露で水っぽくなるから)、という方法が取り入られました。彼はマルゴーのテロワールを熟知しており、ポテンシャルを活かしたワイン造りを始めると、マルゴーは素晴らしき黄金の時代を迎えたのです。そんな黄金時代を迎えたマルゴーに、「フランス革命」という時代の波が押し寄せます。当時のマルゴー領主も革命家により処刑され、土地は没収。その後畑は荒廃し、完全に放置されてしまいました。この荒れ果てた土地をラ・コロニア侯爵が購入し城の再築に力を注ぎました。これが現在「メドックのベルサイユ宮殿」とも称されているマルゴーの城で、エチケットにも描かれています。(ワイン造りにはあまり興味がなかったようですが…)
その後所有者が何人か変わり、徐々にマルゴーの品質が取り戻されてきます。そして1855年のパリ万博でメドックワインの格付けが行われると、マルゴーは唯一20点満点中20点を獲得。堂々と「プルミエ・グラン・クリュ・クラッセ(1級)」に分類されました。しかし、19世紀に蔓延したブドウ病禍「ウドンコ病」「フィロキセラ」「ベト病」により、マルゴーはまたも暗黒の時代を迎えます。波乱万丈・・・
その後、「ウドンコ病→硫黄」「フィロキセラ→接木」「ベト病→ボルドー液」という対処法が見つかり、何とか困難を乗り越えたマルゴー。所有者がジネステ家になると、セカンドワイン「パヴィヨン・ルージュ」を導入したり、ワイン畑の再編や醸造施設の設備投資を行ったりして品質向上に努めました。しかし、1960年~1970年代、マルゴーは凡作が続き、目も当てられないほど悲惨な時代を迎えます。1972~74年は天にも見放され、石油危機などの影響で世界的に景気も悪化、ワインが大暴落し、マルゴーは財政危機に陥り、1977年にギリシャ人「アンドレ・メンツェロプーロス氏」に売却されます。またまた波乱万丈・・・
アンドレは、愛するマルゴーを立て直すべく、ボルドー大学のエミール・ペイノーをコンサルタントとして迎え、畑・設備に多額の投資をします。その努力が報われるのは数年後だと誰もが思っていましたが、なんと翌年(1978)には優れたワインがリリースされ、人々を驚かせました。恐るべきマルゴーの底知れぬポテンシャル・・・
残念ながら、アンドレは心の底から愛していたマルゴーの完全復活を見る前に、1980年に他界。切なすぎます・・・(T-T) その後彼の意志を継いだ娘コリーヌの元、マルゴーは完全に復活。天にも市場にも恵まれ再び黄金期を迎え、現在に至ります。

マルゴーでは、長い間ほぼオーガニック(有機栽培)でしたが、どうやら数年後には100%オーガニックに切り替えるそうです(ただしファースト・ラインのシャトー・マルゴーのみで、セカンドワイン等への導入は未定)。

また、偽マルゴー対策として、2011年よりボトルの真偽判定システム(プルーフタグ)を採用しました。'09、'10のシャトー・マルゴー、'11年以降のシャトー・マルゴー/パヴィヨン・ルージュ&ブランに付いてるそうです。2009年・2010年ヴィンテージはグレートヴィンテージ。購入を検討している方、このプルーフタグ(写真参照)がついているやつを買いましょう!(今後プルーフタグのパクリとかも流通するかもなので、ご購入の際は慎重に・・・)


長きにわたり人々を魅了してきたシャトー・マルゴー。またいつか飲んでみたいです☆



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