CH.LEOVILLE POYFERRE / ST.JULIEN
メドック格付け2級、サン・ジュリアン村のレオヴィル3兄弟の一つ「シャトー・レオヴィル・ポワフェレ」。75年・78年・07年飲み比べを行いました☆
コルクはかなり脆く、ソムリエーヌも抜栓するのに一苦労・・・だけど、なんとか無事にコルクを瓶の中に落とすことなく抜栓してもらいました。すごい!ありがとうございます☆
30年以上の時を経て、自らの粗さを削ぎ落としたかのように、瓶にはびっしりと澱が。さて、どれ程の違いを見せてくれるのでしょうか・・・いざ!
①1975年
淡いルビー色、エッジはオレンジ。初めは熟成チーズや少し湿った畳のような香りが。時間が経つとそのアロマは劇的に変化し、驚くほど若々しく透明感のあるカシスやベリー系のアロマが広がる。ドライフルーツのニュアンスや、レザー、ダージリンティー、ドライフラワー、深いが明るめの森、甘草、タバコ。味わいは柔らかく、キレイな酸と果実味が口にじわっと広がる。まるでブルゴーニュ・ピノの熟成ワインのよう。ボルドーが「ワインの女王」と呼ばれる所以が分かる一本。イメージ的には佐伯チズさんのような、気品あふれるチャーミングな老婦人を思わせるワインでした☆
1975年のボルドーは、比較的天候にも恵まれたため、全体的にはレベルの高いと言われていますが、シャトーによってブドウの出来にばらつきがあり評価が難しい年だそう。タンニンが多く、長期熟成後に本領を発揮するヴィンテージとも評される1975年。今回飲んだ'75ポワフェレは、ワインの出来も保存状態も良く、これほどきれいな変化を遂げるに至ったのかもしれません。
②1978年
75年と比較し、まずその違いに目を見張る。ガーネット色したワインのエッジは、レンガ色~マホガニー色。まずは樽香やアース系のアロマが強い。深くやや暗い森、朽ちた木、コーヒー、エスプレッソ、タバコ、葉巻、なめし革。時間が経つと、ドライレーズンやトリュフのアロマ、さらに置くとミントやユーカリ、少し若いベリー系のアロマも加わる。味わいは少し重く、澱がワインに舞ってしまったかのような濁りを感じる。しかししみじみとしたアミノ酸の旨味があり、滋味溢れる味わい。75年とは違い、深いしわが刻まれた顔、時折見せる笑顔が意外とチャーミングな、慈愛溢れる老紳士を思わせるワイン。しいて例えるなら、國村隼さんとかショーシャンクのモーガン・フリーマン氏のような佇まい。渋好みの私としてはどストライク(笑)。
1978年はまずまずの良い出来となったヴィンテージ。グラーヴ地区ではグレート・ヴィンテージとなりました。今回飲んだ'78ポワフェレ。ワインの状態はおそらく良かったのですが、私のミスで当日持参することになってしまった為、ワインの状態が落ち着いていなかったのかもしれません(他のヴィンテージは前々日に持ち込みワインを落ち着かせた)。オールド・ヴィンテージは、飲むと決めた数日前から準備しなきゃですね・・・猛省!
③2007年
濃いガーネット色したワインのエッジは紫。うん、濃い!若い!熟したフレッシュ・カシスやブラックチェリー、スミレ、コーヒー、エスプレッソのアロマ。シナモンやクローヴのようなスパイス香。味わいは濃厚で、フレッシュな果実味・タンニン・酸味ともに豊かでバランスが良い。後10年後にもう一度飲んでみたい味わいでした。このワインが30年以上経た時、どのような変化を迎えているのでしょうか。予想としては、1975年のようなワインになるんじゃないかな、と。違うかなー。
ヴィンテージによってこれほど違うとは、正直思っていませんでした(2007年は別として)。75年も78年も大して違わないんじゃと高をくくっていましたが、予想を良い意味で裏切る味わいに、みんな驚きを隠せない様子でした。やっぱりワインは飲んでみないと分からない!経験値がちょっと上がったディナーとなりました♪
そんなポワフェレ。75年については、肉料理より魚料理のメイン「スズキとエビのムースリーヌ」と相性抜群でした☆白身魚の柔らかな旨味と、75年の柔らかくシミジミとした旨味がベストマリアージュ♪何となく赤ワインには肉料理を合わせがちな私ですが、魚料理との相性の良さを知ることが出来てよたった♪この前お会いしたシャトーオーナー「トリノー氏」のアドバイス通り試してみて良かったです☆
さて、ここでシャトーについてのまとめを少し。
サン・ジュリアンにはシャトー名に「レオヴィル」と付くシャトーが3つあります。おそらく一番有名なのが「ラス・カーズ」。ついで「バルトン」「ポワフェレ」。俗に「レオヴィル3兄弟」とも呼ばれるこのシャトー達、元は一つの大きなシャトーでした。1740年レオヴィル家が所有。「メドック最大かつ優良なブドウ畑」としてその名が知られていました。1840年に3つのシャトーに分割。当時の所有者ラスカーズ家の長男ピエール・ジャンがラス・カーズを相続し、彼の妹ジャンヌがポワフェレの土地を相続。そしてその土地をジャン・マリー・ド・ポワフェレ男爵と結婚した娘に譲渡したことにより、シャトー・レオヴィル・ポワフェレが誕生するに至りました。
1855年の格付けで2級を得るなど、ワイン造りは順風満帆に行くかと思いきや、ウドンコ病(オイディウム)による被害により収穫高は激減、品質も悪く、財政状況は悪化。泣く泣くシャトーを手放すこととなりました。そんなポワフェレを買収したのが銀行家やワイン・ブローカーとして有名なラランド家とエルランジェ家。ウドンコ病も克服し、かつての良質なポワフェレへと復活させました。1920年に所有者がキュヴァリエ家に代わり、現在に至っています。
このキュヴァリエ家。やや目立たない存在だったポワフェレを、設備投資やセカンドワインの導入、超有名ワイン醸造家ミシェル・ロラン氏によるコンサルタント等の努力が実り、その実力・評価は近年グングン上昇。2000年以降はパーカー氏もほとんどのヴィンテージで90点以上の評価をつけており、なんと!2009年ヴィンテージについては100点を獲得するまでになりました。今後ラス・カーズのように価格の高騰が予想されるシャトーの一つかもしれません。
作付け比率はカベルネ・ソーヴィニヨン65%、メルロー25%、プティ・ヴェルドー8%、カベルネ・フラン2%。プティ・ヴェルドーの作付け比率がやや高いという特徴があります。3か月毎に澱等を取り除きながら18~20ヶ月樽熟成させた後に、清澄・ろ過し瓶詰されます。こうして出荷されるポワフェレは「若い内から飲むことが出来、かつ長期熟成のポテンシャルも十分に持つ」と評されています。
そんなポワフェレを3ヴィンテージ垂直テイスティング出来たなんて・・・なんて幸せ❤美味しい料理も相乗効果で、本当に素晴らしいディナーとなりました☆またこんなワイン会を企画したいです!
今回のポワフェレ、飲んでみたい!と言う方に朗報☆こちらのサイトで購入可能です♪(残念ながら、78年は探しても見つかりませんでした・・・)
そんなポワフェレを3ヴィンテージ垂直テイスティング出来たなんて・・・なんて幸せ❤美味しい料理も相乗効果で、本当に素晴らしいディナーとなりました☆またこんなワイン会を企画したいです!
今回のポワフェレ、飲んでみたい!と言う方に朗報☆こちらのサイトで購入可能です♪(残念ながら、78年は探しても見つかりませんでした・・・)
そしてパーカーポイント100点を獲得した2009年ヴィンテージはこちらで購入できそうです☆
いずれも残り在庫が少なくなっています。100点獲得したワインなので、今後おそらく手に入らないor価格が高騰することが予想されるヴィンテージ。今のうちに買って長期保存し、30年後位に楽しむのもいいかもしれませんね☆
レオヴィル3兄弟のうち、バルトンとポワフェレを制覇!こんなに短期間に制覇できるとは思っていませんでした。幸せだなぁ❤もっとも価格が高く手に入りにくいラス・カーズを制覇できるのはいつのことやら・・・。
レオヴィル3兄弟のうち、バルトンとポワフェレを制覇!こんなに短期間に制覇できるとは思っていませんでした。幸せだなぁ❤もっとも価格が高く手に入りにくいラス・カーズを制覇できるのはいつのことやら・・・。
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