フランス・ボルドーのサンジュリアン村にある2シャトー「シャトー・サン・ピエール」「シャトー・グロリア」のオーナー、ジャン・ルイ・トリオー氏が来日。30年ぶりだそうです♪
今ボルドーは雨ばかりらしく、東京で久し振りに晴天が見れて嬉しいです、との事。ボルドー、雨が続いてるんですね。
「今日のイベント参加者を見渡して、こうして若い人や女性がたくさん参加している。日本のワイン消費者層が成熟してきた事が伺えて嬉しい」的なことも仰っていました。女性に目が向くあたり、さすがフランス人なのでしょうか。
そんな話の後、自身のシャトーについての話になりました。今回は前編「シャトー・サン・ピエール」についてご紹介します☆
CH.SAINT PIERRE / SAINT JULIEN
フランス・ボルドーのサンジュリアン村に位置するシャトー・サン・ピエール。同じく格付け4級のシャトー・ベイシュヴェエルの裏にあります。西はグリュオ・ラローズ、東はデュクリュ・ボーカイユに隣接と、地理的な条件はかなり高く、カベルネ・ソーヴィニヨン種を育てるのには理想的な土壌だそうです。
シャトー・サン・ピエールの規模は17haと非常に小さく(メドック・シャトーの規模は通常30-40ha)知名度もあまり高くはありませんが、「格付けシャトーで最も過小評価されているシャトー」と評されるほど、そのクオリティーは高く、(知名度の低さ故)コストパフォーマンスも優れています。
作付け比率は、カベルネ・ソーヴィニヨン 70%、メルロー 20%、カベルネ・フラン 10%。50%新樽比率のオーク樽で18ヶ月熟成された後に瓶詰。ワイン栽培のモットーは「自然に任せる」だそうで、自身が行うことは「ブドウが健全に育つ手助け」だけで、なるべく人の手をかけずに、テロワールを体現するワイン造りを行っているそうです。トリオー氏はこのスタイルを「小さな子供が安全に道を歩けるように寄り添っているよう」と表現していました。あくまで歩くのは子供の意志。歩かせるような事はしない。なるほどねー。
シャトーの歴史についても簡単に説明していました。シャトー自体の歴史はメドックでも古く、300年前に遡ります。様々なオーナーの手に渡った後、トリオー氏の手に渡ったのが1981年。最初はシャトーのみを購入。翌年からブドウ栽培を開始したそうです(シャトーを購入したのは、彼の義父「アンリ・マルタン氏と言っていたかもしれません)。
さて、そんなシャトー・サン・ピエール。3ヴィンテージを垂直テイスティング!ワーイ☆
まずは2009年。カシス、ベリーなどのフレッシュな果実のアロマ。少しスモーキーな印象。タバコやコーヒー、ダークチョコ、クローヴなどの香りが心地よい。時間と共に、少しミントやユーカリのような香りも感じられました。事前にデキャンタージュされていたからか、味わいは凝縮感も感じられるけど比較的柔らか。果実味・タンニン・酸味のバランスが非常に良い一本でした。2009年は乾燥し日照もかなり多かった年だけあり、果実味たっぷり凝縮感溢れる味わいでした。
次いで2007年。うわ、土付きごぼう!!かなり土の印象。生のジャガイモとか、濃いコーヒー、カカオ、アーモンドの渋皮、杉。果実香はあまり感じられず、青っぽさが目立つ。2007年は涼しく日照もあまり多くなかった年。なので、果実味が乏しく青っぽい香りや土っぽい香りがメインとなったようです。
最後に1998年。ドライベリー系のアロマ、カカオ、チョコ、エスプレッソ。レザーや腐葉土、森、スーボア、キノコのような香りも感じられる。タンニンもこなれてきてまろやかな味わい。どことなく、醤油のようなニュアンスもある。イメージ的には、2009年と2007年の中間くらいの味わいだったワインが熟成したような感じ。
同じ畑・シャトーのワインでも、ヴィンテージによってこんなに香りや味わいが違うのか!と驚きの連続でした。2009年は今でも楽しめるし、熟成させても楽しめそう。また、赤身の肉料理やチョコなんかと合わせたい味わい。2007年は今は青さや土感が強いですが、「熟成させることによって土感はキノコのようなアロマになり、旨味がグッと増すと思いますよ」との事。そして今飲むなら、ワイン単体で楽しむより「牛肉と牛蒡のしぐれ煮」などの和食と合わせると良いかもです。1998年に関しては、ワイン単体でこのジンワリおいしい味わいを楽しんでもいいし、醤油を使った和食と合わせても良さそう♪
そんなわけで、勉強にもなったし何より楽しかった!
ちなみに、トリノー氏とお話ししたところ、毎日ワインを飲むが、ワインはあまり買わないとのこと。なんと、自身のシャトー・ワインと、メドック・シャンパーニュ等フランス各地のシャトー・ワインと「物々交換」しているそうです☆まぁお中元やお歳暮みたいな感じで、シャトーのワインを贈ると、そのシャトーのワインが返礼として帰ってくるそうです。(シャトーを訪ねてお互いのワインを贈り合う、みたいな感じ??)
また、彼の赤ワインは肉料理でも魚料理でも合うらしいですが、どんな料理方法を試しても「牡蠣」とは合わない!と仰ってました。最後に「牡蠣料理とだけは一緒に飲んじゃだめだよ!」と釘を刺されました(笑)。あと、「和食ならすき焼きがイイですよ☆」と伝えたら「じゃあ今度君の家にご馳走になりに行くよ!」なんてノリで話して下さる、生真面目さの中にも人間味&ユーモア溢れるステキなジェントルマンでした☆
そんなトリノー氏のサン・ピエール。2009・2007年ヴィンテージワインはこちらのサイトで購入できるみたいです♪(98年は見つかりませんでした・・・)
ぜひ味わいの違いを試してみて下さい!面白いですよー(^ ^)/
いつかボルドーに旅行に行けたら、ぜひトリノー氏のシャトーを訪れてみたいです☆
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